血だまりの少女
《1》
「失礼しまーす……」
ゆっくりと扉を押し開け、屋敷の中に入る。
外からの明かりで目の前が壁で、左右に廊下が伸びているのが分かるくらいで、それ以外は暗くて良く見えない。
「……ご、ごめんくださ〜い」
やはりこの屋敷は廃墟で、誰も居ないのだろうか……。
返事は無い。
扉から手を離し、一歩二歩と様子を伺いながら、恐る恐る足を進める。
バダンッ!
「きゃっ!?」
目の前が真っ暗になり、扉が閉まったのだと理解する。