血だまりの少女

そしてその場にしゃがみ込み、足元に落ちていた血まみれの肉片を摘み上げ、口の開いた香水のビンにそっと入れた。

すると肉片がスズランの毒に触れた瞬間、一瞬で溶け込み、透明だった毒は赤黒い毒へと変化した。

水嵩が増したので、こぼれないように香水のビンを水平に保ちながら、ゆっくりと立ち上がる。

赤野に持たせていたスプレー部分を受け取り、しっかり回して蓋をした。

【黒バラの毒が入った香水のビンを手に入れた】

「それじゃ、これは護身用に私が持っておくわね」

「わかった」

私は窮屈に思いながらも、丸いビンをスラックスの右ポケットに押し込んだ。

「さぁ、先へ進むわよ」

止めていた足を再び動かした。


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