血だまりの少女
私を見つめる白い少女は何も答えない。
「し、知ってるの?」
赤野がチラリと私を見てから、白い少女に視線を戻す。
「私が小学校に上がる前、この街に住んでいて、この屋敷に遊びに来ていたの。それをさっき思い出して、私の中で色々辻褄が合ったのよ。バラの紋章に見覚えがあったり、オーブンの使い方を知ってたり……。で、その一緒に遊んでたのが、ミヤビちゃん。あの子なの」
私の言っている事は嘘ではない。
印象的な白い少女を忘れていた自分を不思議に思うが、幼い頃の記憶に間違いは無い。
赤野は私と白い少女を見比べる。
「一緒に遊んでたって……や、でも、あの子……」
赤野が困惑しているように、私も目の前の光景を理解出来ないでいる。
私が幼い頃に目の前の白い少女と遊んでいたのは事実だ。