血だまりの少女
赤野青羽
俺は初めて来た街外れの廃墟の前に立っていた。
俺はここまで逃げて来たのだ。
学校はつまらない。
幼い頃から母は俺に勉強を教えてくれた。
だから俺は昔から勉強ができた。
数式は見ただけで答えを導き出せたし、漢字は一度習えば読みも意味も間違えることはなかった。
最初は母が喜ぶからと、勉強を頑張った。
俺は勉強が好きではなかったから、母に褒めてもらう為にしていただけだった。
今思えば、自分の子供が頭が悪いというのは、小学校の先生をしていた母のプライドとして許せなかっただけなのだろう。
俺はそんなちっぽけなプライドのせいで、周りから浮いていた。