血だまりの少女

「何なの……」

人ではない、何かバケモノの様な呻き声。

この街に戻って来た時、昔には無かった、この森には入ってはいけないと言う“奇妙な噂”が流れていた。

その噂は警視庁内でも知らない者は居ないほど、有名で当たり前のものだった。

やはり噂の通り、この場所は危険な様だ。

早くここから出なくてはいけないが、扉が開かないのでカギを探さなくてはならない。

ギェェエエエッ ギェェェエエエッ

再び呻き声が聞こえる。

一刻も早く、この屋敷から出ないと、声の主に殺されてしまうかもしれない。

目の前のドアノブに再び手を伸ばし、ゆっくりと扉を開けた。

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