血だまりの少女

「くッ……」

立ち上がろうとする赤野の傍にしゃがみ込み、肩を貸してやる。

「もう少しだけ、頑張ってね」

私よりもアルラウネの攻撃を受けている赤野は、体中の痛みに奥歯を噛み締めて耐えている。

「だ、大丈夫……それより早くここから脱出しないと崩れるよ」

アルラウネが暴れたせいで天井や壁に亀裂が走り、洞穴は崩壊し始めていた。

「そうね。ミヤビちゃんも……ッ……」

助けてくれたミヤビを見ると、姿が無くなっていた。

アルラウネと同じく毒に犯されたミヤビは死に、着ていた血が滲む白いワンピースを残して、真っ白な粉になっていたのだ。

「そ、そんな……」





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