血だまりの少女

「あの子は何十年も前に死んでいたんだ。表面は綺麗でも中身はボロボロだったんだね……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴォ……

嫌な音が響き、崩れ落ちた天井の土がミヤビの上に降り注ぐ。

「あっ!」

ミヤビが居た所から目が離せなかった。

私をずっと待っててくれたミヤビに謝罪も、助けてくれたお礼も出来ず、最後まで何もしてあげられなかった。

「折笠さん……ここも、もうすぐ崩れちゃうよ」

赤野の優しい声で、忘れていた瞬きを繰り返す。

「そ、そうね……」

土に埋もれたミヤビの粉を取り出す事は出来ない。

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