血だまりの少女
【エピローグ】
聞き慣れない機械音と薬品臭さで目が覚めると、白い天井が視界に広がった。
何度か瞬きをして、他人事の様に病院だという事を思い出す。
ベッドの柵に掛けられたリモコンを手に取り、あくびをしながら黄色いボタンを押す。
ベッドが自動的に上半身を起こし、座った状態になる。
「ん~……はぁ……」
両腕を突き上げ、大きく伸びをする。
私と赤野は洞穴が崩壊する前に脱出に成功し、森を抜けて救急車を呼んだ。
治療を受け、入院生活4日目である。
赤野も同じ病院で治療を受けているはずなのだが、まだ会えていない。
私は胴体に無数の刺し傷があり、細かく縫っているので人形の様に縫い糸だらけになってしまった。