血だまりの少女
朝の情報番組が始まったところだった。
一列に並ぶ知っている顔のアナウンサーたちが頭を下げる。
『早速なんですが、昨日のニュースに最新情報が入りましたのでお伝えします』
総司会者の男性アナウンサーが大きなモニターの前に立ち、若いアナウンサーたちは画面の外に消えた。
『えー……街外れにある森の中のお屋敷から人骨が発見された事件で、進展がありましたので、現場の羽田野さんお願いします』
画面が切り替わり、液晶画面には私たちが4日前に殺されかけた屋敷を背景に、マイクを持った小太りのメガネを掛けた男性アナウンサーが映った。
『はい。こちら羽田野です。えー……こちらのお屋敷は地元で“近付いてはいけない”と噂で有名なお屋敷で、数年前からこの森の周辺で児童行方不明の事件が相次いでいました』
怪我の回復次第、私と赤野の事情聴取が始まる。
どこまで信じてもらえるか分からないが、全て話すつもりだ。
アルラウネの存在を伏せていては、私たちの怪我は説明が出来ない。