血だまりの少女
本が沢山詰まった大きな本棚があり、その横には机と椅子が置かれていた。
誰かの書斎なのだろうか。
机の上にはバラの紋章が描かれたノートと万年筆、花瓶には黒バラが一輪刺さっていた。
「聞きたいこと、色々あるんだけど……」
椅子を引き、扉の前に立つ赤野と向かい合うように座る。
「見回りって、なに?」
扉に背中を預け、落ち着いている様子の赤野を見上げる。
「歩く西洋甲冑。廊下だけを見回りしてる。視界に入ったら剣で殺されるよ。俺見たんだ」
「見たって……!?あっ、えっと……赤野君、いつからこの屋敷に?」
私より赤野の方が落ち着いている事に気付き、無理矢理声のトーンを下げる。