血だまりの少女
《3》
クローゼットの中には固く目をつぶり、両膝を抱えて震えている髪の長い眼鏡をかけた女性が居た。
悲鳴はもちろん小さくなっている彼女から発せられたものだ。
赤野は泣いている彼女を見て驚いたのか、クローゼットから離れてしまった。
「大丈夫……?」
前に出て、泣いている彼女の肩に触れる。
「イヤッ!やめてッ!!」
再び悲鳴を上げて体を硬直させる。
「大丈夫だから、私たちも貴方と同じ様に閉じ込められたの」
「……ふぇっ?」
彼女は涙に濡れた赤い瞼を持ち上げた。