血だまりの少女

谷原はスマホを取り出したが、電源が切れている様で画面は真っ暗だった。

谷原の質問に、圏外のスマホを取り出し、現在の日時を伝える。

「あ、じゃぁ昨日の朝からここに……」

「昨日の朝から!?」

丸一日以上、この屋敷に閉じ込められている事に驚いた。

「……また大きな剣を持った甲冑に襲われたらって思うと怖くて」

谷原は襲われた時の事を思い出したのか、顔色が悪くなってしまった。

「谷原さんは何故ここへ?」

「私、アシスタントディレクターしてるんですけど、噂の検証をする撮影の下見に来たんです。一緒に塚本さんって先輩の方と来たんですけど、襲われた時に無我夢中で逃げたら、はぐれちゃって……」

どうやら他にも、この屋敷には人間が居るようだ。
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