血だまりの少女
「予熱しておこうと思ったんだけど……」
「ん〜……」
初めて見るはずなのに見覚えがあるような、もどかしい気持ちに駆られる。
実家にオーブンは無かったから、友達の家や通っていた学校と似ている物なのだろうか。
何のボタンかは分からないが、押してみないことには何も始まらない。
「これかしら……?」
適当にボタンを押すと"000"と緑色のデジタル文字がオーブンの右上に表示された。
「きっと、温度ね」
また適当なボタンを長押しし、予熱温度の170度に設定した。
「……知ってたの?」