血だまりの少女
《4》
クッキーが焼き上がると、再び地響きの様な音が上から聞こえてきた。
ゴゴゴゴゴゴォ……
「今度はなにッ!?」
焼き上がったクッキーが並ぶオーブントレーを持ちながら天井を見上げた。
すると、曇りガラス板が落ちてきた時と同じ様に砂埃を落としながら、今度は曇りガラスの手前に鉄格子が落下してきた。
そして内側の曇りガラスの板は上がり、天井に消えていった。
「谷原さんッ!?」
ようやく声が届くようになったのに、谷原の姿が見当たらなかった。
「折笠さんッ折笠さんッ!」
こもった声で名前を呼ばれ、谷原が業務用の大きなオーブンの中に閉じ込められているのを発見した。
「助けてッ……!」