血だまりの少女

「……進まなきゃって分かってるけど、俺、やっぱり生きて出られる気がしないよ」

力無く独り言のように、赤野は谷原の死体を見つめながら、私に語り掛ける。

だが、私はその言葉に対して何と返事をして良いのか分からず、聞こえないフリをして、どこの扉が開いたのか調べる事にした。

この部屋には3つの扉がある。

部屋に入って来た茶色の扉は、当たり前のようにドアノブが回った。

残りの扉も調べる。

先ずは左側の黄色い扉に足を向ける。

ドアノブをゆっくり回すと、この扉のカギが開いたのだと分かる。

扉を全て開ける前に、右側の茶色い扉も調べる。

だが、ドアノブを回し切る前に途中で引っ掛かり、扉は開かなかった。

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