君とのキスの意味
片方の膝の上に水野君を座らせ、俺の腕に凭れさせるようにする。体勢が安定したせいか、わずかに開いていた瞳を、水野君は完全に閉じてしまった。

顔色が悪かったのに、今はうっすらと頬に赤みが指している。

「顔色が、少しよくなったかな・・・水野君、少しは楽になった?」

「ふぁい」

「眠い?」

「ふぁい」

「困ったな。ここじゃ、ゆっくり寝られないよ」

俺の腕の中で、安心しきった顔をしている水野君。「寝られちゃ困る」と思いながらも、心を許されているようで、嬉しいとも、思ってしまう。

そんな事を思いながら、水野君を見ていたら、ゆっくりと瞼が持ち上がった。

俺を見つめて、ニコッと笑う。

「つかもん、いつも、ありがとうございやす!わらし、つかもんのこと・・・」

そう一気に言った後、フッと息を吐いて、またニコッと笑った。

「つかもんのこと、尊敬してやす!」

突然の水野君の言葉に、俺は目を見開いた。そして、微笑む。

今のは、キタ・・・

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