君とのキスの意味
「尊敬している」なんて初めて言われた。酔っぱらいのたどたどしい言葉だったけど、水野君の表情からは、それが水野君の本当の“ 想い ”だと伝わってきた。

水野君は俺を見て、満足そうな顔をしている。そして、再び、ゆっくりと目を閉じた。俺の胸元で、軽く深呼吸する。

──愛しい・・・

そんな想いが溢れてくる。誰かに対してそんな風に思ったのは、初めてだ。

無意識のうちに人差し指で、水野君の柔らかい頬を撫でる。

そして、ゆっくりと顔を近付け・・・

水野君の唇に、俺の唇でそっと触れた・・・

その温かで柔らかな感触に、俺の中の“ ストッパー ”みたいなものが、外された─

角度を変えながら、何度も、彼女の唇の感触を味わう。

元々紅かった唇が、さらに濡れて紅く色付く。

初めてキスを知ったように、夢中になって唇を重ねていた。

伏せていた視線を上げた時、彼女と目が合った。

『愛しい』という気持ちそのままに、薄く笑い、再びくちづける。

彼女の上唇と下唇をそれぞれ、自分の唇でやわやわと食んで、感触を楽しむ。

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