君とのキスの意味
今さらだけど・・・

ここはトイレだ。いつまでも、こうしている訳にはいかないよな。

仕方なく、そのまま水野君を抱き上げて座敷に戻った。これは『お姫様抱っこ』てヤツだよな。

すれ違う人の視線を受けながら、恥ずかしい・・・と思った。

座敷に戻れば、3人がポカンと俺達を見た。高野主任に声をかけられて「吐いて楽になったら、眠くなっちやったみたいで・・・」なんて説明した。

そっと、水野君を下ろす。みんなで顔を見たら、平和な顔をして眠ってた。

「塚本さん、本当にごめんなさい!」

盛大に溜め息を吐いた後、千晶ちゃんが言った。俺は、とりあえず笑っておいた。

水野君は目を覚まさないけど、千晶ちゃんは落ち着いたようなので、店を出る事になった。

両主任は、今回いろいろと反省したようで、飲み代を2人で全部出してくれた。

水野君達も、俺も、代行運転で帰る予定だったが、それは諦めた。

水野君は眠ったままだし、千晶ちゃんも、水野君の家の場所を説明できないと言った。

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