君とのキスの意味
「加賀さんと理子さんは・・・」

白石さんは、ニコッと笑った。

「加賀君、全部理子に話したんです。理子、すぐに電話をくれて・・・」

その時の事を思い出すように、白石さんは、そっと目を閉じた。

「理子が言ってくれたんです。『ツラかったね。一人で苦しい思いをさせて、ごめんね』て・・・」

目を開けて、再び白石さんは微笑んだ。

「やっぱり理子には、敵わない!て思いました。理子と親友で、本当によかったって!」

俺も笑って、頷いた。

「『私は中学の時から加賀君が好きだったから、簡単に諦めない。例え雪乃が相手でも、正々堂々と勝負する!』理子がそんな事を言い出すから、慌てて言いました。『私は、加賀君と2人でいるより、理子も含めた3人でいる方が楽しいの!』て」

白石さんは、オレンジジュースを一口飲み、楽しそうに笑った。

「理子ったらそばにいた加賀君に『雪乃は、あなたより私の方が好きみたい』なんて言うんです」

俺も、白石さんの笑顔につられる。白石さんの笑顔は、本当にきれいだ。

「前以上に、理子といろんな話ができるようになりました。理子がいれば、加賀君とも、いい友人として付き合っていけそうです。塚本さんのおかげです」

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