君とのキスの意味
先輩の愛?
俺の準備ができたからといって、水野君とゆっくり話すチャンスが、すぐにめぐってくるわけでもなく・・・

それどころか、月末に向かって仕事は忙しくなる一方で、仕事以外の事を話す時間は、あまりない。

そして、水野君のケータイ番号もアドレスも知らない俺は、職場以外で話す約束さえできない。

みんな、どうやってケータイ番号やアドレスを交換するんだろ・・・?

今さら、そんな事を考えている自分が情けない。

休み明けの水野君は、わりと落ち着いていた。何かにとり憑かれたかのようにキーボードを叩いていたのに、憑き物は、おちたようだ。

たまに、何か言いたげに俺を見ている気がする。俺が、そういう気持ちで水野君を見ているから、そう感じるんだろうか?

今、水野君の方を見れば、目が合いそう・・・そう思うのに、視線を動かす事ができない俺は・・・やっぱり情けない。

祝日もあったりしながら、あっ言う間に金曜日。

このまま月末に向かってどんどん余裕がなくなり、来月になったら、年末特有の忙しさで、さらに余裕がなくなって・・・

そういう事が想像できてしまい、一人で落ち込む。

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