君とのキスの意味
普段は、クルクルとよく動く水野君を、何かの小動物のように見ている事も多いが、こうして抱き寄せると、本当に彼女は小さくて・・・

愛しい・・・また、そんな気持ちが溢れてくる。

しばらく涙を流した後、水野君がそっと俺の胸を押した。

「ありがとうございます!もう、大丈夫です」

涙で濡れた顔で、それでも俺を安心させるように、ニコッと微笑んだ。

もう一度、抱き寄せたい・・・そんな思いを抑えるように、短く息を吐き、俺も笑みを返した。

「ワイシャツを汚した」と、眉尻を下げて言う水野君に「洗えばいい」と返した。

水野君の車が置いてある会社の駐車場に向かって、車を出す。

藤田さんに任された“ 説明 ”をしようと口を開くが、何をどう話せばいいのか迷っていた。

すると、水野君の方から「教えてください」と質問してくれた。それに答えると「だいたいわかった」と笑った。

えっ、本当にわかった?水野君に「ほんとにもういいの?」なんて確認してしまう。何が、どうわかったのだろう?

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