君とのキスの意味
「塚本さんの香りには、かなり乱されました。『猛々しい水』に、私の心が打ちつけられて・・・塚本さんに、恋しちゃいました」

「・・・」

ちょ、ちょっと待って・・・!

俺は、混乱していた。今、告白されたよな?途中から、あれ・・・?と思う感じはあったけど。

香水!香水の話をしていたのに、なんでそこから“ 告白 ”にいくんだ?

そもそも今日は、俺が、水野君に、話をする為に、藤田さんが仕組んだ事じゃなかったのか?

「ごめんなさい。私、伝えたかっただけですから。塚本さんは、忘れてください」

俺が一人で混乱していた時、水野君がそう言った。その声は、少し震えているようで・・・

そうだ!水野君はまだ、俺と白石さんの事を誤解したままだ。

ちょうど赤信号で、車を止める。

できるだけ水野君と向かい合えるように、身体を捻る。

「水野君に、ずっと言いたい事があって」

「・・・はい」

「俺、誰とも付き合ってないから」

「・・・はい?」

「白石さんと俺は、付き合ってない!宮前に聞いて、誤解してたよね?」

< 180 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop