君とのキスの意味
「えっ⁉はい・・・でも・・・」

今度は、水野君が混乱しているようだ。

いつかの休憩室で、宮前が俺に言った事、そしてそれは、宮前の誤解で、その事を宮前も納得したと水野君に話した。

これで水野君も納得してくれれば、白石さんの細かな事まで、話さなくてもいいんだけど・・・

水野君が、大きく深呼吸をした。

「野球大会の日、塚本さんと白石さんが一緒にいる所を見ました」

「っ!?」

俺は、思わず目を見開いた。えっ、いつ?どこで?

水野君は俯きながら、自分が見た事を話してくれた。

「そっか、見られてたんだ・・・」

やましい事はしていない。でも、確かに、誤解されても仕方のない行動だった。

よりによって・・・どうしていつも、水野君なんだ?

じゃあ途中から、水野君の様子がおかしいと感じたのは、そのせいだったのか。

その事を、水野君に訊ねる。

「あっ・・・はい。その時は、自分の気持ちにも気付かないフリしてて。動揺している事に、何でだろう?て、さらに動揺するような、グチャグチャな感じでした」

そう言いながら、うっすらと頬を赤くする水野君。

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