君とのキスの意味
「私は、パスタですか・・・“ 一番 ”にはなれないんですね。塚本さんは、“ 二番 ”や“ 三番 ”をつまみ食いしませんもんね」

「ごめん・・・」

小さく頭を下げると「塚本さん、謝ってばっかり!」と、村瀬君はまた笑った。

「本当は、わかってました。塚本さんの気持ち。でも、認めたくなくて、最後の一押しができなかったんです」

いや、俺もずっと逃げてた。言わずにすむのなら・・・そう思ってたから。

前を見ていた村瀬君が、身体をこちらに向けたのがわかった。

「塚本さんの気持ちは、よくわかりました。だから、最後にお願いがあります」

少し下げた頭をゆっくり起こす。

「一度だけでいいです。私の事、抱いてください」

「っっ!!」

ダメだ・・・このままじゃ、村瀬君の想いに、呑み込まれてしまう・・・!

「車を停めて話したい。この近くに駐車場ない?」

気持ちを抑えるように、声を抑えて話す。

「次の交差点を左に曲がって少し走ると、公園の駐車場があります」

「わかった」

村瀬君の案内で、公園の駐車場に着く。わりと広い駐車場には、他にも4~5台、車が停まっていた。

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