君とのキスの意味
会社にも行けなくなった白石さんを心配して、様子を見に来たお母さんに言われる。

「地元に帰ろう」と・・・

悩んだ末に、お母さんに手伝ってもらって地元に帰る事を決めた。

そうして、一年半程前に帰って来た。ゆっくりと静養し、一年位前から今の会社で働き始めたそうだ。

そこまで話すと、白石さんはフーッと息を吐き、カップに口をつけた。

帰ってきて少し経った頃、中学校の同窓会があった。

「理子( りこ )が、誘ってくれました。理子は私の幼馴染みで、小・中・高と一緒でした。私の唯一の親友です」

柔らかく微笑んだ白石さん。その笑みからも、親友への思いがわかる。

「優しくて、明るくて、いつもみんなの中心にいました。どうしても女の子から浮いてしまう私を気にかけてくれて。気が付けば“ 親友 ”になってました」

その同窓会で“ 元カレ ”加賀さんと数年ぶりに再会する。

「浩司・・・加賀君は、中学の時から落ち着いていて、成績も、学年の中でいつもトップクラスでした。理子と一緒に、よくクラス委員もしていました」

同窓会の時に、連絡先はとりあえず交換はしたが、連絡する事はなかった。

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