君とのキスの意味
午前中に行われた1回戦、準決勝を順調に勝ち上がる。

第1回目の開催だった去年の大会で、野球経験者を中心に作った即席のチームで出場し、なんと準優勝だったそうで。

今年の目標は、もちろん『優勝!』しかない。

まずは決勝戦に進めた事で、みんな盛り上がっているのだが・・・

水野君の様子が、またおかしくなった。俺とは、全然目も合わないし、試合中も、スコアブックをつけながら、ボ~ッとしている。

そんな事だから、“ 熱血野球青年 ”の藤田さんに、雷を落とされていた。

気にはなるが、野球経験者でない俺は、たいしてフォローもできないし。それに・・・

気が付けば、いつも隣には雪乃さんがいる。目が合うと、ニコッと微笑まれる。

「名前で呼ぶ」そのプレッシャーをかけられているようで、落ち着かない。

そして、昼休憩となった。

主催者が、お弁当とお茶を準備していて、雪乃さんと、雪乃さんと同じ受付の相田さんが、みんなに配った。

高野主任をはじめとする先輩達が、鼻の下を伸ばしながらお弁当を受け取り、俺も列の後ろに並んで受け取った。

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