君とのキスの意味
お弁当を食べ終わり、トイレに向かっていたら、後ろから声をかけれられた。

「塚本さん!」

振り向くと、相田さんだった。

「すみません!少しいいですか?」

俺が返事をする前に、腕を掴まれて引っ張られる。

「えっ⁉ちょっ、あぶな!・・・」

人気のない所まで来て、ようやく腕を離された。立ち止まり、俺に向き合うと、ガバッ!と頭を下げた。

「ありがとうございました!」

「っ!?」

突然の事で何の事かわからない。驚いている俺に、相田さんが話し始めた。

「雪乃の事です」

相田さんは、雪乃さんからいろいろ相談をされているらしく、雪乃さんがこちらに帰って来るようになった経緯も、加賀さんの事も知っていた。

「実は私なんです。塚本さんに、彼氏のフリをお願いするように言ったのは」

「・・・」

これ以上迷惑をかけられないと言った雪乃さんを、かなり強引に説得したそうだ。

「私、加賀さんに一度だけ会った事があります。雪乃の話を聞いている時から思っていたんですけど、この人、自分に自信があるなぁって」

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