君とのキスの意味
小竹君が、隣にいた藤田さんの肩を強めに叩く。

「いっ!苛めてない!愛情たっぷりで指導しただけだ!」

2人が言い合いを始めたので、俺はその場を離れた。

やっぱり落ち着かないから、車で公園の周辺を走ってみようと思った。

もし迷子になっているんなら、見つけられるかもしれないし。

この総合運動公園は、ゆるやかな斜面に沿って造られている。

頂上に野球場があり、中央に広い通路。通路の両サイドに、体育館やサッカー場などがある。途中にも駐車場はあるが、広いものは一番下にある。

朝、ここに到着した時は、みんな下の駐車場に車を停めた。

駐車場を目指して通路を下っていたら、思わぬ光景を目にした。

水野君が、ユニフォーム姿の男2人と話しているようだ。

あのユニフォームは・・・最初に対戦したチームだよな。知り合いでもいたのか?

水野君がこちらの方を向こうとした時、一人が、水野君の手首を掴んだ。

「!?」

手首を掴まれて、固まってしまった水野君。

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