君とのキスの意味
「ここからすぐの、国道沿いのとこ?」

「はい」

水野君は、小さな身体のわりにはよく食べる。もしかして・・・

「朝ご飯、ちゃんと食べた?」

「はい?」

「朝ご飯、食べてないから、お腹が空いて、バカみたいに食べてたんだろ?」

「朝ご飯、ちゃんと食べました!お昼も、サンドイッチだけです!」

そうか・・・だったら何で?・・・て事は、やっぱり・・・

「・・・もしかして、道に迷って・・・」

「迷ってません!・・・ちょっと、寝ちゃっただけで・・・」

力いっぱい否定した後、ゴニョゴニョッと付け加えた。

・・・何!?寝てた?思わず足を止める。

「寝てた?」

「コンビニの駐車場の端で、お昼を食べて、ちょっとだけ、目をつぶったんです。そしたら、そのまま寝ちゃったみたいで・・・」

人がどれだけ心配したか、知らないで・・・!ちょっとした怒りとともに、気になった事を訊いた。

「ロックした?」

「へっ⁉」

変な声を出して、水野君が顔を上げる。

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