君とのキスの意味
─翌日、土曜日。

本屋の駐車場で待ち合わせ、俺の車に雪乃さんを乗せた。

この駐車場で、偶然雪乃さんに出会って、目まぐるしく2週間が過ぎていった。

たった2週間前なのに、もう何ヵ月も経ってしまったような気がする。

雪乃さんは、緊張のせいか少し顔が強張っているように見える。

でも顔色もいいし、声をかければ、笑顔も見せてくれるので、大丈夫だろうと思った。

加賀さんと会うカフェの駐車場に車を停める。

「あっ・・・」

白いセダンの車を見て、雪乃さんが小さく声を出した。

「加賀さんの車?」

俺が訊ねると、コクンと頷いた。2人とも、動きが止まる。

小さく息を吐いた後、薄く笑いながら、雪乃さんに声をかける。

「行こうか」

「はい・・・」

俺の目をじっと見つめて、雪乃さんは大きく頷いた。

「いらっしゃいませ!」

店内に入ると、明るい声に迎えられる。

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