君とのキスの意味
「俺と雪乃の関係は?」

「知ってます」

「ただの同級生じゃないのも?」

「はい」

加賀さんは、また唇の片端を上げて笑った。

「雪乃が、県外で働いていた事はもちろん・・・」

「知ってます」

「どうして辞めて、帰ってきたのかは・・・」

「はい、聞いています」

加賀さんが、少しだけ目を見開いた。

「そうか・・・なら、話は早い。雪乃が帰ってきた時と同じだ。俺との事で傷付いて、そんな時に、あんたに優しくされたんだろう?それでフラフラとあんたにいったんだ・・・」

「加賀さん!」

雪乃さんが、声を荒げた。それでも加賀さんは続ける。

「雪乃の事、ずっと好きだった。理子と付き合ったのだって、雪乃に近付く為だ。何と言われようと、俺は簡単に雪乃と別れたりしない!」

加賀さんは俺を睨みながら、強い口調で言い放った。加賀さんの言葉に、雪乃さんは、ハッと息を呑んだ。

「加賀さんは、どうしてもっと早く、理子さんと別れなかったんですか?」

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