君とのキスの意味
“反省”と“満足”
１０月も後半に近付き、仕事はどんどん忙しくなる。

そして俺は、それに流される事にした。余計な事を考えないように・・・

相変わらず水野君と俺の間には、見えない壁がある。見えないのに、水野君に近付けば近付くほど、確かにその存在を感じた。

ある日、俺はその理由らしきものを知る事となる。おしゃべり宮前によって・・・

その日は昼休憩のタイミングが、久々に宮前と２人だけになった。

休憩室に入り、コンビニ弁当を温めたりしてから、テーブルに座る。

「いただきます」と手を合わせて弁当を食べ始めたら「待ってました！」とばかりに、宮前が話し始める。

「塚本さん！俺、この前見ちゃいました～！」

ニヤニヤしながら言う宮前に、冷たく返す。

「はっ？何を？」

「塚本さんと、めちゃくちゃきれいな人が、２人でカフェに入るところです！」

「！！」

びっくりして、口に入れたご飯を吹きそうになる。

「どこかで見た事ある人だなあと思ったら『受付の白雪姫』でした！」

俺は気分を落ち着かせようと、お茶を飲む。

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