君とのキスの意味
でも、特に何か言われる事もなく・・・逆に帰る前、園田課長が俺の耳元で囁いた。

「高野さんに、よろしく」

大人の2人の間に何があったのか・・・俺は知らなくていいだろう。

「高野主任のお誘い、喜んでお受け致します」

ケータイを持ったまま、思わず頭まで下げてしまった。

場所は、地図をメールすると言われた。ケータイを切る前の、自信満々な高野主任のセリフ。

「今日は、絶対にお前も楽しめるから!いや、むしろ俺に感謝してほしいくらいだ」

首を捻りながら、高野主任からさっそく届いたメールで、今日の会場を確認した。


─午後6時50分。

今日の飲み会があるお店に向かう。思えば、高野主任以外の参加者を全く聞いていなかった。

どういう集まりなのか、何人ぐらい来るのかさえ知らない。

俺、流されすぎだろ・・・

お店の近くの駐車場に車を停め、お店に向かおうとしたら、思わぬ人に声をかけられた。

「・・・塚本・・・さん?」

「えっ⁉水野君?」

「どうしたんですか?・・・もしかして、高野主任達と一緒ですか?」

「今日、突然声がかかったんだよ。そっか、水野君か・・・」

< 94 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop