君とのキスの意味
酔っぱらった水野君は可愛いけど。このまま、もっと話していたいけど・・・もしかしたら、明日になったら、覚えてないなんて事もあるかもな。

そんな事を項垂れたまま考えていたら、水野君に呼ばれる。

「つかもん・・・」

「ん?」

顔を上げて、水野君の方を見るのと同じタイミングで、水野君が俺の膝に倒れこんできた。

「っっ!!」

とっさに片手を伸ばして、腕と膝で水野君を受け止めた。身体に力が入ってないのがわかる。

「気持ち、悪いれす・・・」

「大丈夫か?トイレまでガマンできそう?」

「ん~・・・ダイジョブれす」

水野君の様子に、高野主任達や千晶ちゃんも心配そうにこちらを見る。

「大丈夫か?塚本。一人で支えられるか?」

「はい、大丈夫です」

「塚本さん、ごめんなさい。お願いします」

千晶ちゃんが、小さく頭を下げた。

俺は、笑って頷いた。

「水野君、トイレに行こう」

「ふぁい」

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