空に舞う桜
守ってやりたい
生まれた時から、人を救うという役目を負った人達の中で育った。
実家は医療の家系だったし、医者として多くの人を救ってきた父の背中を、ずっと見てきた。
俺も、いつかは父のように多くの命を守りたい。
幼い時から今まで、その思いが変わったことはない。
だから、俺はあの時手を取った。
「俺達と一緒に来るか」
自分の無力さに絶望し、帰る場所もなく途方に暮れていた時に、差し伸べられた手。
それが、副長との出会いだ。
どれだけ拒絶されても、俺は人を救う武士になりたい。
その気持ちに揺るぎがなかったから、俺はあの人の言葉に頷いて、手を取った。
俺は、弱き者を守れる武士になりたい。
そのためなら、どんな事でもやるさ……