空に舞う桜
「うおおっ!!」
突然、部屋の向こうから走ってきた浪士が、刀で斬りつけてきた。
……こんな狭い室内で刀を大きく振り回しやがって。
そんな振り方では、当たるものも当たらないぞ。
剣筋を見つつ身を翻したものの、左腕を少し斬られた。
「っち」
仕返し、と言わんばかりに、俺も刀を振るう。
力任せな戦い方ではあるが、腕は立つようだな。
だが、隙だらけ。
残念だ。
確実に命を奪えるように、剣を振り、突き刺す。
――――ザシュッ。
生暖かい血を感じながら、俺はまた……人を殺した。
『これで、何人目だ』
「っ……!」
また、声が……
任務で戦闘になると、途中で必ず俺に話しかけてくる声。
刀を振るう度、そいつは俺の耳元で囁く。
『人を切り続けるお前は、誰だ?』
そう言うお前は何者だ。
『俺のことはどうでもいい。お前の答えを聞かせろ』
そんなの、答えるまでもないだろう。
俺は……