空に舞う桜
「え……」
助けて?
“あの人が、死んでしまう”
“あの人を、助けてなきゃ……”
あの人?
桜の悲痛な声に、私は思わず口を開いてしまった。
「……ねぇ、あの人って誰?
あなたは、誰を助けなきゃいけないの?」
私が尋ねても、桜は答えてくれない。
「ねぇ、教えて……?」
そう言って、桜の木に触れた途端
「っ?!」
突然、強い光に包まれた。
眩しくて、私はとっさに目を瞑った。
固く瞼を閉じた中で、また声が聞こえた。