空に舞う桜
「君、悪いが少し目を瞑っていられるか」
「え?は、はい!」
私は言われた通りに目を瞑った。
「ありがとう」
その言葉を最後に、その人は何も言わなくなった。
代わりに聞こえてきたのは、刀のぶつかり合う音と、侍達の苦しそうな声。
だ、大丈夫かな……
しばらくすると、何も音がしなくなった。
「……あの、目を開けてもいいですか……?」
「ああ、いいぞ」
ゆっくりと目を開けると、背を向けたあの人と横たわっている侍達が目に入った。
え、どうしたの、お侍さん達……
なんで、倒れてるの?
すると、侍達の地面が赤く染まっているのに気付き、やっと彼らが血を流しているのを理解した。
「っ!!」
私は、思わず口を塞いだ。
まさか……殺しちゃった、の……?