空に舞う桜
足を止めたら殺されちゃう。
止まるな、とにかく人の多いところへ行かなきゃ!
そう思って走り続けた私。
だけど、町におりたところで、目の前に広がった光景を見て、私は足を止めてしまった。
「え……」
だって、そこには私の見たこともない景色が広がっていたんだもの。
見慣れたはずの、故郷はそこには無かった。
アパートや住宅街が立ち並んでいるはずの場所には、歴史の教科書で見たような木造住宅が並んでいた。
こんなの、私の知ってる町じゃない……
ここは、一体どこなの……?
「おい、君!」
後ろから肩をつかまれ、振り返ってみると、おの人が立っていた。
「っ嫌!!」
私は、つかまれた手を払い、後ずさった。
「あ……ああ……」
声を出したくても、怖くて上手く口が動かない。
私、このまま殺されるの……?
そう思っていると……