空に舞う桜
「ん……」
目を開けると、目の前に天井の木目が広がっていた。
あれ、私、確か外で倒れて……
「気がつきました?」
「あ……」
声のした方に顔を向けると、そこにはさっき羽織を着ていた人が座っていた。
今は脱いでるみたいだけど。
ゆっくり体を起こすと、頭がクラクラした。
「ああ、まだ寝ていた方がいいですよ」
そう言って、彼は私の体を優しく布団に戻した。
「貴女、肩からけっこう出血してて、貧血を起こしたみたいです。
あ、傷のほうは大したこと無いって。
だけど、まだしばらくは横になっていたほうがいいって、山崎くんが言ってましたよ」
ニコニコしながら、そう言う彼。
「あの……あなた誰ですか?
それに、山崎って……」
「ああ、すみません。
僕は沖田総司。
山崎くんは、さっきの黒ずくめの人ですよ」