空に舞う桜
放課後、夕焼けに染まる校舎。
その裏で、私は1人の男の子の前に立っていた。
「は?無理なんだけど」
男の子は、私の目を見ずに、そう言った。
「俺、正直お前みたいな何考えてるか分かんない奴、苦手だし……
好きとか言われても、ぶっちゃけ迷惑なんだよな」
彼の言葉を聞いて、私の頭は真っ白になった。
「そ、か……」
やっと搾り出した声も、ひどく擦れてて……
なんだか私、かっこ悪いな。
「……じゃあ、俺もう行くわ」
そう言って、彼は私の前から去って行った。
人生初の告白。
それは、いとも簡単に断られ、人生初の失恋となった。
1人残された私は、しばらくそこから動けなかった。
胸が苦しくて、痛くて……
彼に言われた言葉もショックで……
「うっ……うぅっ……」
涙が、次から次へと溢れてきた。