空に舞う桜
「あの、沖田さん」
「はい」
「今って、平成、ですよね……?」
そう尋ねると、沖田さんはキョトンとして、首をかしげた。
「へいせい?
何を言っているんですか?
今は元冶元年ですよ?」
「え……」
元冶、元年……?
ということは、幕末……?
「嘘、でしょ……」
平成じゃ、ない……
サーっと全身から血の気が引いた。
これはまさか、テレビドラマとかで見る、タイムスリップってやつ……?
「どうしよう……」
私が呟いた時、部屋の障子が開けられた。
「あ、山崎くん、おかえりなさい」
部屋に入ってきたのは、山崎さんだった。