空に舞う桜
「夕餉の時からボーッとしているが、何かあったのか?」
部屋に戻って、山崎さんに手当てをしてもらうと、こんな質問が飛んできた。
「え……あ、いえ、何でもないですよ」
「本当か?」
「え……」
山崎さんは、私の目をじっと見てきた。
「何も、ないですよ」
「……佐渡、お前も自覚しているかもしへないが、お前はまだ新選組の中では信用されていない」
「え、はい、そうですね……」
「何か1人で考え込んでいたりすると、何か良くない事を企んでいるのかもしれない、と思う者もいるだろう」
「そんな!良くない事を企んでるなんて……
そんな事ありません!」
「ああ、俺もそう信じている。
だからこそ、お前は今はまだできるだけ話をするべきだ。」
「っ!」
話をしている間、山崎さんはずっと私の目を見ていた。
ああ、そういえば、仕事柄、人が嘘をついているのが分かるって言ってたっけ……