空に舞う桜
2人分のお茶を用意して、月の光が差し込む彼の部屋で、話を始めた。
「その……私、自分の気持ちとか、考えとか、とにかく話すのが苦手なんです。
いつも、考え込んでしまって……」
「それは何故だ?」
「……正しい言葉を、選びたいので」
「正しい言葉?」
「はい。
間違えると、1人になるので……」
「どういうことだ?」
「……小学生の時に、友達を失ったので……」
「友達、は友人のことか。
しょうがくせい、とはなんだ?」
「あ、えっと……小さい時、10つの時に間違えてしまって……」
そう、確かあれは、小学4年生の時……