空に舞う桜


――――――――――――


お父さんの仕事の都合で、私はある小学校に転校した。




もう、仲良しのグループは出来上がっていて、私は1人で過ごす時間が多かった。




そんな中、あるグループの女の子達が、私に話しかけてきてくれた。




『千里ちゃん、あたし達のグループに入りなよ』




凄く嬉しかった。




ひとりぼっちだった私を、仲間に入れてくれたから。




4人組のグループで、中心人物の子が私に声をかけてくれた。




それからは、いつも5人一緒だった。




お昼の時も、休み時間も、放課後も、ずっと一緒。




沢山の話をした。




趣味のこと、家のこと、好きな人のこと……




だけど、ある日。




『あれ?』




いつの間にか、1人減っていた。




『ねえ、あの子は?』




他の3人に聞いても、彼女達は何も言わなかった。




不思議には思っていたけど、私も暫く放っておいた。




でも、見ちゃったんだ。




放課後、彼女達が寄ってたかって、その子に酷いことを言ってるのを。




< 79 / 128 >

この作品をシェア

pagetop