空に舞う桜


『なにそれ、正義の味方ぶってるの?

 気持ち悪い』




とても冷たい、言葉だった。




『え……』




『いつもあんまりしゃべらないくせに。

 こんな時だけ、ベラベラしゃべって、調子のんなよ』




『後から入ってきたくせに』




それきり、彼女達が私に関わることはなかった。




誰も、私に手を差し伸べてはくれなかった。




私は、また独りになった。




その時、気付いた。





大事なのは、自分の気持ちや考えてを伝えることじゃない。




大事なのは、その場に合った言葉を言うことなんだって。




それが、独りにならない方法なんだって。




それから、私は少しずつ口を閉ざすようになったんだ……




< 81 / 128 >

この作品をシェア

pagetop