空に舞う桜
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「……だから、私は話すのが苦手なんです」
1人になるのが、怖いから。
全部を話終えると、山崎さんは困ったように笑った。
「未来の人間関係も大変だな。
それは、今と変わらないのか」
「あはは……そうですね」
「事情は分かった。
だが、君は何か勘違いしていないか?」
「え?」
目をパチクリさせると、山崎さんが微笑んだ。
「そもそも、言葉に正解なんてあるのか?
3人の彼女達には間違ったものだったかもしれない。
だが、君が庇った彼女にとってはどうだ?」
「あ……」
「自分の味方をしてくれた言葉を、間違いだとは思わないんじゃないか?
君の言葉で、彼女は救われたと俺は思うぞ」
ああ、そうか。
私の言葉は、3人にしか聞こえなかったわけじゃない。
私の後ろにいた、あの子にも聞こえていた……
よく考えたら、そうだよね。
でも、だとしたら……
「じゃあ、正解の言葉ってなんですか?」
余計に分からなくなっちゃったよ。
私は、1人にならないために、どうしたらいい……?