僕はそれでも恋をする
拗ねたように頬をふくらませる少年。
その顔も写真を撮って宝石のように大切に持っていたいくらいです。
「えぇ……ダメ?」
アニメでよくある、あのあざとい上目遣い戦法を使ってみる。
すると少年は断れない、と言った顔で眉を潜めた。
「……別に、いいけど」
「やったぁ!」
「いいけどっ、あのさ!」
「……ん? なに?」
嬉しそうな私をよそに、少年は今更な質問を投げかけた。
「…………キミ、誰?」