僕はそれでも恋をする
「あたしは好きな人いるよ〜。もしかして、それで焦ってたの? なっちゃん」
ふふふと笑うチトセちゃんに、一気に恥ずかしさがこみ上げてきた。
「いや……それ、は違くて……」
「素直じゃないなぁ。安心して、あたしが好きなのは高山くんだから」
「高山君……?」
ってあのスポーツ万能、成績優秀の高山弓月君!?
お、お似合いすぎる……。
「あたし、高山くんに告白しようと思ってるの。だから、あたしが高山くんを誘って2人きりになるから、そしたらなっちゃんも2人きりになれるでしょ?」
「え、本当に……? 告白って」
「うん。ちょっと緊張するけど、小学生の頃からずっと好きだったから」
「しょ……へえええ、凄い! チトセちゃん、一途すぎる!」
「てなっちゃん声大きい!」
「ごごめん!」
そ、そっか。
チトセちゃんは、好きな人がいるんだ。
なんだろう、少し安心した。