僕はそれでも恋をする


「お前、それ言い訳する為にレストラン行きたいっつったな?」


「……はは、まさか」


柳瀬君は椎名君の言葉にしどろもどろ。


ジェットコースターが苦手な柳瀬君なんて、また新しい一面を知ってしまった。


「だがしかーし! 残念だが6人で来たのにお前1人別行動は許さないぞ。観念してジェットコースター乗れ」


「ほ、ほら僕さ! 6人で入るならお化け屋敷の方がスリル満点でいいかなぁって思ってるんだよ! だからジェットコースターは別行動で……」


「じゃあさ、なっちゃん柳瀬君の隣に座って手握っててあげたら?」


「「…………は?」」


私と柳瀬君の声が見事にシンクロする。


「ほら、なっちゃん大人っぽいし、ジェットコースター大好きでしょ? だからそれなら安心じゃないかな?」


チトセちゃんは、天使で悪魔だ。


そんなの、私は嬉しいけど柳瀬君が喜ぶわけないじゃん……。


「春が幼い子供みたいだな」


「う、うるさい! 別に、手握らなくても乗れるから……!」


……て、柳瀬君は言ったけど。


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